Rioja(リオハ)で訪れるべき家族経営ワイナリー Tritium(トリティウム)

ワイナリー(スペイン語ではBodega(ボデガ))を見学するとなると、つい立派な建物や魅力的な宣伝が目立つ大手に気を取られがちです。他方、家族経営の小規模なボデガでは、大手には無いアットホームな雰囲気の中で、のびのびとワインに関する知識を吸収できると思います。そんなボデガを求めて我々が向かったのが、Rioja(リオハ)の小さな田舎町の路地裏にひっそりと佇むTritium(トリティウム)です。
ワイン激戦区リオハで、大手を差し置いてTripadvisorでトップの評価を獲得しているトリティウム。なぜそのような評価を得ているのかは、行ってすぐにわかりました。
出迎えてくれたのは、23歳のDiego君。その若さとは裏腹に、会話の端々から溢れる知識と情熱が伝わってきます。それもそのはず、人生をワインに捧げ、トリティウムを創設した父に、幼い頃からワイン作りを叩き込まれているため、大手ボデガのアルバイトガイドとは訳が違います。
トリティウムの出自は、通常のボデガとは逆です。というのも、もともとぶどう農家だったDiego君の父親と友人が、内輪で楽しむために作っていたワインを知人に飲ませたところ、あまりの美味しさにボデガを開くよう勧められたことがきっかけで始めたそう。つまり、まず美味しいワインがあり、そこに更なる情熱が注ぎ込まれたのです。
到着すると、今日のテイスティングツアーは我々だけ。日本からは我々が初めての来訪者だそう。Diego君の運転する車で、さっそくぶどう畑へ!畑の中に足を踏み入れ、品種ごとの葉や枝ぶりの違いや、育て方まで詳しく教えてもらったのは初めての経験で、ついつい質問攻めに。。
太陽の降り注ぐ畑から戻り、いよいよテイスティング開始。冷えた白ワインでリフレッシュしたあと、15世紀から使われている地下の貯蔵庫へ案内してもらいました。ひんやりとした天然の冷蔵庫です。
樽の種類の違いによる影響ー本で読んでもよく分からないその差について、Diego君に率直に質問してみたところ、「同時期に収穫した同一種類のぶどうを、異なる樽材で熟成しているので、特別に飲み比べてみませんか?」と、熟成途中のワインを樽から汲み出し、飲み比べさせてくれました。
トリティウムでは年間14,000本しか生産されず、日本には輸出されていません。ここで感じたワイン造りへの情熱と、それを育むリオハの気候をまた思い出すために、ラベル前の試作品の白ワインと、Tritium Tempranillo(赤ワイン)を1本ずつ購入しました。
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